診療科・部門のご紹介

臨床工学技術科

部門紹介

理念

・24時間体制で最適な医療技術の提供をします。
・他職種との連携を図りチーム医療に貢献します。
・安全で整備された医療機器を患者様に提供します。

概要

 臨床工学技術科は臨床工学技15名が勤務しています。
 急性期病院としてスタッフ全員が基準とした一定の医療技術を有し、部門全体がチームとしてローテーション業務を行い、勤務場所は集中治療室・手術室・人工透析室・心カテ室・一般病棟など院内すべての部署に対応しています。
 また、スペシャリスト育成に向け専門教育や資格所得を目指しています。

特色

 急性期医療を数多く経験する事で、知識・技術の習得ができスキルアップを図ることが出来ます。

認定資格

 豊岡病院臨床工学技術科の臨床工学技士が所得した資格の一部を紹介します

 ・体外循環技術認定士 :5名
 ・透析技術認定士 :2名
 ・呼吸療法認定士 :2名
 ・周術期認定チーム 臨床工学技士:1名
 ・集中治療専門臨床工学技士:1名
 ・認定集中治療関連臨床工学技士:3名
 ・心血管インターベンション技師(ITE) :2名
 ・ペースメーカ/ICD関連情報担当者(CDR):1名
 ・植込み型心臓デバイス認定士:1名
 ・臨床ME専門認定士:1名
 ・ME1種検定:1名
 ・ME2種検定:10名
 ・DMAT隊員:1名

教育係

 当科は、兵庫県北部で唯一の急性期病院の臨床工学技術科として、補助循環や各種血液浄化の準備操作、緊急手術や医療機器のトラブル対応を24時間体制で行っています。そのためスタッフ全員がジェネラリストとして幅広い知識と技術を備えるよう、セクション毎に余裕をもったスケジュールで卒後教育を行っています。また、各種認定資格を取得した臨床工学技士が多数在籍し、科内勉強会や各種シミュレーション開催など、スタッフ同士で、学び合い高め合う環境づくりに取り組んでいます。その他、日々進化する医療機器や、広がる専門治療にも対応するため、様々な学会や研修会へ参加できる機会を設けています。また、他職種のスタッフにも、より安全に使用していただけるよう、機器説明会や勉強会を開催しています。

ME室

 当院ME室では人工呼吸器といった生命維持管理装置から、輸液ポンプやシリンジポンプ等、院内で使用されるさまざまな医療機器を安全に使用できるように、また機器の性能が維持できるように保守・点検を行います。人工呼吸器に関しては、患者様に使用中の時は、1日に1回動作状況が問題ないか、病室に行き点検しています。患者様に使用後はME室にてチェックを行い、次の患者様に安全に使用できるようにしています。
 また各医療機器をME室にて一括管理し、効率的で適切な運用ができるようにしています。
 他にも、他職種の方がME室管理の医療機器の操作等、安全に使用できるように定期的に機器の説明会を開催しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

人工心肺業務

 心臓の手術をする時、心臓を止めなければ手術ができないものがあります。この時に、心臓機能と肺機能を人工的に代用する装置が人工心肺装置です。人工心肺装置は、体から血液を取り出し、人工肺で血液中の二酸化炭素と酸素を交換し、再び体内に送り返し全身に循環させる装置です。
 私たちは、この人工心肺装置の準備から操作、また人工心肺操作中には患者様の状態観察(血液検査など)や水分バランスの管理なども行います。
 医師や他のコメディカルスタッフと協力し、私たち臨床工学技士は医師の指示の下で安全で質の高い医療の提供を心掛け人工心肺装置を操作しています。心臓血管外科手術は緊急を要する場合も多く、私たち臨床工学技士は緊急手術にも対応できるような体制を整えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集中治療室業務

 当院ICUは7床(HD可能2床)とHCU12床(HD可能2床)で運用しています。主な業務としては生命維持管理装置(ECMO、IABP)の導入と管理、急性血液浄化療法(CHDF・PMX・HD・PE)、アイノフロー(NO吸入療法)、サーモガードシステム(中心静脈留置型経皮的体温調節装置システム)、呼吸器管理です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デバイス業務

〈デバイス植込み・電池交換〉
 徐脈性不整脈(脈拍がゆっくりになる疾患)の患者様には、ペースメーカというデバイスを植込みます。胸部に植込んだ本体と、心臓内に留置したリードによって構成され、ペースメーカが心臓を刺激することによって、脈拍がゆっくりにならないようにします。本体は電池で動いているため、5年~10年毎に交換が必要となってきます。手術の時には、プログラマーやアナライザーの操作を行い、ペースメーカの設定を行っています。

〈デバイス外来・遠隔モニタリング〉
 デバイス外来では植込み後のフォローアップとして、デバイスの作動状況、電池寿命やリードの異常、不整脈の有無などをチェックし、医師と相談して最適なデバイスの設定にできるよう努めています。
 遠隔モニタリングでは、自宅に送信機を設置して頂くことで、デバイスの情報が病院に送信されます。臨床工学技士が毎朝、送信データを確認し、医師に報告することで、早期の異常発見や診断に繋げています。

〈設定変更・EMI対応〉
 手術で電気メスを使用する時、MRI検査の時には、デバイスに影響を及ぼす可能性があるため、立合い・設定変更などが必要です。状況に応じた適切な設定によって、安全な医療の提供に努めています。

 

 

 

 

 

 

手術室業務

 当院では、人工心肺業務、鏡視下手術業務(腹腔鏡・胸腔鏡)、ペースメーカー業務(インプラント、術中設定変更、外来チェック)、daVinci業務(ロボット支援腹腔鏡手術)、自己血回収業務、機器点検業務(麻酔器、生態情報モニター、電気メスなど)を行っています。
 手術室で使う機器は多種多様にあり、操作に専門的知識が必要とされます。
 機器の操作だけで無く、点検やトラブル対応なども行っており、手術の際にスタッフが円滑に手術を進められるようにしています。

【主な業務内容】
・鏡視下手術・daVinci業務
 決まったレイアウトの配置に各機器のセッティング、手術開始時はカメラの接続、気腹装置、録画装置の操作などを行います。
 さらにdaVinciでは、ドレープ装着の介助、清潔野へのロボット展開を行います。
・自己血回収業務
 手術中に大量出血を起こす可能性のある手術において自身の血液を特殊な遠心分離機を内蔵した機器を用いて洗浄・濃縮して返血します。
・機器点検業務
 7部屋ある手術室と救急外来、アンギオ室にある計9台の麻酔器の動作確認、点検、トラブル対応を行っています。
 電気メスでは、出力が出ているか、設定範囲内で動いているか確認しています。
・ペースメーカー、人工心肺業務は各項目を参照して下さい。

 当院ではローテーション制で業務を行っており、緊急手術にも24時間365日、院内常駐している臨床工学技士が対応し、人工心肺では応援を呼び即座に対応できるように努めています。

 

 

 

 

 

 

 

血液浄化業務

 透析・アフェレーシスの業務を行っております。
 また対応困難な患者様には、ICU(集中治療室)・HCU(高度治療室)で行います。

【透析室】
 当院は6~7床の入院患者様のみ透析治療を行っております。
 透析治療は月・水・金AM・PMの2クールを原則に、週3回12~14人を対象にしています。入院患者様の増加により2クールで対応できない場合は3クールの実施、緊急透析や手術前の透析は随時調整をして、月・水・金以外でも行っております。

 

AM

PM

●:透析実施日
※:非透析日

<透析室の風景>

 

 

 

 

 

 

 

 透析治療はHD(血液透析)を行っております。
 2018年3月にRO装置(治療で使用する透析液を作成する為に必要な透析用水を作成する装置)を新しく設置して、治療の選択肢を広げる為、透析液清浄化ガイドラインに沿って、水質管理を徹底しております。水質管理にはME内の透析液清浄化推進チームによって行っております。

 2019年7月より、対応機種のみ透析液プライミング(治療で使用する透析液を用いて、血液回路・透析器の洗浄)、透析終了時の返血、血圧低下時等に行なう緊急補液に透析液を使用しております。
 2021年度より、On-lineHDF(1台)・IHDF(3台)にも対応し、各患者さんの透析施設での治療にあわせた医療を提供しております。

【ICU:集中治療室/HCU:高度治療室】
 ICU・HCUでも透析治療を行うため、各1台の透析監視装置とRO装置を配置しております。ICUの装置ではHDからOn-lineHDFまで対応しております。
 他に、SLED(長時間低効率血液透析)も実施しております。

<ICU:個人用RO装置・透析監視装置>

 

 

 

 

 

 

 

 

【その他】
 非透析日にアフェレーシスを実施しております。
 現在は以下の通りです。
 ・GCAP:顆粒球除去療法
 ・CART:腹水濾過濃縮再静注療法
 ・吸着式潰瘍治療法(レオカーナ)

<GCAP>               <CART>      <レオカーナ>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白血球除去療法(LCAP)や、その他アフェレーシス等を提供できるよう準備させていただきます。

心臓・血管カテーテル業務

 臨床工学技術科では2018年より循環器内科医師の依頼にて、心臓カテーテル検査・治療、及び下肢動脈検査・治療における清潔野での介助業務を行っています。
 検査業務の内容としては、冠動脈造影検査(CAG)や下肢動脈造影検査(Aog)、及びスワンガンツカテーテル検査における清潔野でのシース・カテーテル・ワイヤー等の準備、Cアーム・カテーテル台の操作なども行っております。
 治療業務の内容としては、上記の業務に加えて経皮的冠動脈血管治療(PCI)や下肢動脈血管治療(EVT)でのバルーンやステント留置を行う直接治療介助(2nd)、および間接介助(3rd)を行っております。また、2020年より石灰化病変のアテレクトミー治療(Rota/OAS)の導入に伴い2nd・3rd業務に加え、外回りでの装置のセッティングや回転数読み上げや記録も行っております。
2022年より心臓血管外科におけるEVAR・TEVAR、コイル塞栓術などの直接清潔介助(2nd)、および間接介助(3rd)も行っております。
 今後は、心電図やその他のバイタルサインを管理するポリグラフ、及びイメージング装置(IVUS・OCT)、FFR/NHPRなどのPhysiology関連装置の操作を含めた外回り業務全般を施行していく予定としております。

見学・実習のお申し込み・お問い合わせ

 見学・実習をご希望の方は、公立豊岡病院臨床工学技術科までお電話ください。
 【電話:0796-22-6111(病院代表)】