臨床工学技術科
部門紹介
理念
・24時間体制で最適な医療技術の提供をします。
・他職種との連携を図りチーム医療に貢献します。
・安全で整備された医療機器を患者様に提供します。
概要
臨床工学技術科は臨床工学技士13名が勤務しています。
急性期病院としてスタッフ全員が基準とした一定の医療技術を有し、部門全体がチームとしてローテーション業務を行い、勤務場所は集中治療室・手術室・人工透析室・心カテ室・一般病棟など院内すべての部署に対応しています。
また、スペシャリスト育成に向け、専門教育や資格所得を目指しています。
特色
急性期医療を数多く経験することで、知識・技術の習得ができ、スキルアップを図ることができます。
認定資格
豊岡病院臨床工学技術科の臨床工学技士が所得した資格の一部を紹介します。
・体外循環技術認定士 :5名
・透析技術認定士 :5名
・呼吸療法認定士 :2名
・心血管インターベンション技師(ITE) :2名
・植込み型心臓デバイス認定士 :1名
・ペースメーカ/ICD関連情報担当者(CDR) :1名
・消化器内視鏡技師 :1名
・認定集中治療関連臨床工学技士 :2名
・周術期管理チーム 臨床工学技士 :1名
・ME1種検定 :1名
・ME2種検定 :6名
・心電図検定1級 :1名
ME室
当院ME室では、院内共有使用機器の中央管理を行っています。対象機器は人工呼吸器、輸液ポンプ、シリンジポンプなど、全625台の保守管理を行っています。また、病棟・部署専用機など2019年度実績として貸出件数21,731件、修理対応件数1,007件でした。
人工心肺業務
心臓の手術をする時、心臓を止めなければ手術ができないものがあります。この時に、心臓機能と肺機能を人工的に代用する装置が人工心肺装置です。人工心肺装置は、体から血液を取り出し、人工肺で血液中の二酸化炭素と酸素を交換し、再び体内に送り返し全身に循環させる装置です。
私たちは、この人工心肺装置の準備から操作、また人工心肺操作中には患者様の状態観察(血液検査など)や水分バランスの管理なども行います。
医師や他のコメディカルスタッフと協力し、私たち臨床工学技士は医師の指示の下で安全で質の高い医療の提供を心掛け人工心肺装置を操作しています。心臓血管外科手術は緊急を要する場合も多く、私たち臨床工学技士は緊急手術にも対応できるような体制を整えています。
【人工心肺実施症例数】 2018年度:41件、2019年度:52件
集中治療室業務
当院ICUは7床(HD可能3床)とHCU12床で運用しています。主な業務としては生命維持管理装置(ECMO、IABP)の導入と管理、急性血液浄化療法(CHDF・PMX・HD・PE)、呼吸器管理です。
【業務集計】2018年度
ICU・救急 | ECMO | 39件 |
IABP | 24件 | |
CHDF | 307件 | |
DHP | 31件 | |
SLED | 2件 | |
PE | 26件 |
デバイス業務
<デバイス外来>
デバイス植込み後のフォローアップとして、デバイスの作動状況、電池寿命やリードの異常・不整脈の有無等
をチェックします。ペースメーカの他、植込み型除細動器(ICD)、両室ペースメーカ(CRT – P,CRT – D)のチェックも行っています。
<デバイス植込み(電池交換)>
デバイス植込み時や交換時に、閾値や波高値の測定など、プログラマーを使用し機械的なチェックを行います。
<遠隔モニタリング>
遠隔モニタリングシステムを導入することで、WEB上で心電図などのイベントを確認し、早期診断が行えるように対応しています。
<EMI対応>
手術での電気メス使用時、MRI撮像時、ICD・CRT – DのCT撮影時など、デバイスに影響を及ぼす可能性がある場合に、立合い・設定変更など、安全な医療を提供できるように努めています。
手術室業務
当院では、人工心肺業務、鏡視下業務(腹腔鏡・胸腔鏡)、ペースメーカー業務(インプラント、設定変更)、daVinci業務(ロボット支援腹腔鏡手術)、自己血回収業務、機器点検業務(麻酔器、無影灯、生体情報モニター、電気メスなど)を行っています。
手術室で使う機器は日々進歩しており、専門的知識を必要とする物も多くあります。
それらの機器の操作、管理、トラブル対応を臨床工学技士が行っており、手術が円滑に行えるように努めています。
ローテーション制で業務を行っており、緊急で手術が入った場合には、24時間365日、院内に常駐している臨床工学技士が対応しています。
【症例数】2019年度 業務集計
鏡視下業務(外科 泌尿器科 産婦人科 呼吸器・心臓血管外科) | 318件 |
daVinci 業務(泌尿器 外科 産婦人科) | 87件 |
人工心肺業務 | 52件 |
ペースメーカー(インプラント) | 52件 |
血液浄化業務
透析・アフェレーシスの業務を行っております。
また、対応困難な患者様には、ICU(集中治療室)で行います。
【透析室】
当院は6~7床の入院患者様のみ透析治療を行っております。
透析治療は月・水・金AM・PMの2クールを原則に、週3回12~14人を対象にしています。入院患者様の増加により2クールで対応できない場合は3クールの実施、緊急透析や手術前の透析は随時調整をして、月・水・金以外でも行っております。
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
AM |
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PM |
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●:透析実施日
※:非透析日
透析治療はHD(血液透析)を行っております。
2018年(平成30年)3月にRO装置(治療で使用する透析液を作成する為に必要な透析用水を作成する装置)を新しく設置して、治療の選択肢を広げる為、透析液清浄化ガイドラインに沿って、水質管理を徹底しております。水質管理にはME内の透析液清浄化推進チーム3名によって行っております。
2019年(令和元年)7月より、対応機種のみ透析液プライミング(治療で使用する透析液を用いて、血液回路・透析器の洗浄)、透析終了時の返血、血圧低下時等に行なう緊急補液に透析液を使用しております。
今後は治療の選択肢を広げ、On-LineHDF・I-HDF(血液透析濾過)まで提供できるよう準備しております。
また、当院では、広範囲の入院患者様に対応できる様、透析液2種類、透析器3種類を準備しております。
【ICU:集中治療室】
ICUで透析治療を行う場合もある為、当院の透析用監視装置5台は透析室から運べるようにしております。
原則は、ICU用透析監視装置を使用していますが、対応不可な場合でも他の透析監視装置を使用できるようにしています。
ICUには、個人用RO装置1台を常備しています。
ICUでの透析治療は、HDとSLED(長時間低効率血液透析)を実施しております。
<ICU:個人用RO装置・透析監視装置>
【その他】
非透析日にアフェレーシスを実施しております。
現在は、以下のとおりです。
●GCAP:顆粒球除去療法
●CART:腹水濾過濃縮再静注療法
白血球除去療法(LCAP)や、その他アフェレーシス等を提供できるよう、準備させていただきます。
見学・実習のお申し込み・お問い合わせ
見学・実習をご希望の方は、公立豊岡病院臨床工学技術科までお電話ください。
【電話:0796-22-6111(病院代表)】