お知らせ

高血糖の放置は腎機能低下のリスクに直結します~内分泌・糖尿病内科より~

2019年9月25日

公立豊岡病院 内分泌・糖尿病内科

 

高血糖を放置していると定期的に通院している人に比べて約8倍腎機能低下の危険性が高まります

~地域国民健康保険特定健診データを用いた糖尿病性腎臓病重症化関連因子の解析より~

 

 豊岡市では、市民の約3人に1人が高齢者(平成29年豊岡市高齢化率31.9%(全国平均27.3%))であり、全国に先駆けて超高齢化社会が進行していること、都市部に比較して公共交通機関が少なく自動車移動が多いこと、などの特徴があり、糖尿病やその合併症のさらなる重症化も懸念されています。

 今回われわれは4年間の豊岡市国民健康保険特定健診データに基づいて後方視的縦断コホート研究を行い腎機能低下の進行と関連する因子を解析しました。その結果、血圧、血糖、肥満(メタボリック症候群)、喫煙、身体活動、蛋白尿、などが腎機能低下の関連因子であることが明らかになりました。中でも糖尿病と高血圧の影響が大きく、それぞれの疾患がある場合は約2倍危険性が上昇することが判明しました(図1)。

 (図1)

 糖尿病患者のみの解析では、血糖指標であるHbA1c(高値)とHDLコレステロール(低値)が腎症増悪と関連しており、特に、治療を受けていないHbA1c 8%以上の群で腎機能低下が進行し、腎機能障害を有する患者の比率が増加し(図2)、4年後には8倍になりました(図3)。

  (図2) (図3)

 豊岡市でも糖尿病になっておられるにも関わらず未受診の方やそもそも健診を受けていない方が多くおられますので、早目に健診や診察を受けていただくことがとても重要です。