お知らせ

風疹について学ぼう

2018年10月19日

風疹が流行しています

 現在、首都圏を中心に風疹が流行しており、7月末から風疹にかかった人は1,103人となっています(2018年10月10日現在 国立感染症研究所報告)。兵庫県でも数名の発症者が報告されています。2013年にも全国で大流行し、5,400人あまりが風疹と診断されました。

 風疹は子供がかかる病気だと思われがちですが、2013年に風疹と診断された人のうち、約90%が成人で、男性が女性の約3倍多く、年齢別で見ると30から50歳代半ばの男性が多いという結果でした。この世代に風疹発症者が多かった理由は、風疹のワクチン接種を受ける機会が無かった世代であったためとされています。

風疹とはどんな病気

 風疹は、発熱、発疹、リンパ節の腫れ(首の後ろ側が多い)、頭痛、咳、鼻水などを特徴とする病気です。風疹ウイルスに感染することで風疹にかかります。この風疹ウイルスは、風疹にかかっている人の咳や鼻水の中に存在し、咳や鼻水がかかる、あるいはそれらに触れることで感染します。現在、風疹の治療薬はありません。

 風疹ワクチンの接種を行っていない妊娠20週未満の妊婦が風疹ウイルスに感染すると、胎内にいる赤ちゃんも高い確率で先天性風疹症候群(白内障、難聴、心臓病など)になる可能性があります。風疹が流行した2013年は、45人の赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断されました。その原因は、男性が風疹に罹患し、妻や周囲の妊娠女性に風疹をうつしてしまったことだと言われています。

風疹にかからないためには

 男女ともにワクチンを接種して、感染予防に必要な免疫を獲得しておくことが重要です。まず自身の母子手帳で、風疹ワクチンの接種記録を確認しましょう。接種回数が2回あれば風疹にかかりにくい体になっていると考えられます。2回接種した記録がない方が抗体をつける方法は、

  1. 医療機関を受診し、風疹に対する戦う力(抗体)を持っているのか調べる 
  2. 抗体が不十分な時にはワクチンを接種します(風疹ワクチンは生ワクチンのため、妊娠中接種する事ができません)

 検査やワクチン接種についてはかかりつけ医にご相談ください。

 

 自分が抗体を持っているかわからない妊娠中、もしくは妊娠する可能性のある女性は、

  1. なるべく人混みを避ける
  2. やむを得ず多くの人が集まる所に行く場合にはマスクを着用する
  3. 外出先から帰ったら手洗い・うがいを行う

 などの対策を行いましょう。自分が風疹にかかった場合、症状が出てから約10日くらいは、妊娠している女性の近くには行かないよう配慮する事も、小さな命を守るために大切な事です。 

 

豊岡病院 感染管理室

 

 

図1:風疹ワクチンの定期予防接種と年齢の関係(インターネットより引用)

 

 

小さな命を守るためにできること