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公立豊岡病院組合立

病院組合の概要

ごあいさつ

5.年頭のごあいさつ

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年末の世論調査で、「社会保障制度の持続性に不安を抱く国民が87%」との報道がありました。人口構造の逆ピラミッド化と縮小が進む中で、医療の供給不足や医療費の増大と費用負担に多くの国民が不安を抱いていることを物語っています。国は現行制度のままでは破綻を来すことから、医療の質を確保しつつ効率性を高める制度改革を進めており、各地域にも地域特性に応じた主体的な取組を求めています。
 豊岡病院組合は、本年3月に今後4年間の病院改革を進めるためのプランを定め、今後の但馬地域の医療ニーズの変化に主体的に対応していきます。また、公営企業として収支均衡も同時に求められており、国の医療政策の動向や診療報酬の考え方に沿った病院運営を進めていく必要があります。
 次に、建物の一部に耐震性の低いことが判明した日高医療センターの建替え整備も必要となっています。多数の日高住民から入院機能の存続要望を受け、改めて日高医療センターに対する期待の大きさを認識したところです。他方、事態は深刻で、課題は単に入院機能だけでなく、医師確保そして病院存続そのものです。特に透析機能と眼科センターは、日高地域だけでなく豊岡市域また但馬全体で唯一の機能を担っており、その機能継続は広域的にも不可欠です。
 医師確保にあたっては、日高医療センターそして日高地域・豊岡市域が医師にとって働き甲斐があり、働きたくなる病院・地域との評価を受けることが重要です。住民の理解と支援により大きな成果を上げている地域もあります。
 但馬は地域との結びつき、人と人の絆が深い地域であり、お互いに支えあう文化が強い地域です。この文化を礎にして、但馬の医療の継続に市民とともに取り組んでまいります。

平成29年1月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

4.平成28年度 ごあいさつ

朝来医療センターの開設と日高医療センターのあり方検討

 

 平成28年5月に「公立朝来梁瀬医療センター」と「公立朝来和田山医療センター」が統合し、新たに「公立朝来医療センター」が開設しました。新施設の療養環境や新規導入の医療機器、また統合のメリットを活かした病院運営により、朝来市の中核病院として市民の期待に応えられるよう努めます。しかし、医療体制はまだまだ満足出来るものではありません。特に医師不足は解消できておらず、「医師が働きたくなる病院」を目指し病院組合全体として全力で取り組みますので、市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 
 また、今年度は、日高医療センターの今後の在り方について、その整備方針を定めることとしています。日高医療センターの建物の一部に、大きな地震が生じた場合は倒壊の危険性があることが、昨年12月に判明しました。本年2月から学識経験者、医療関係者、住民代表者、行政関係者に参画いただき検討会を開催し、病院組合および同センターの現状と課題、国の社会保障制度改革の動向、但馬医療圏域の医療・介護ニーズの変化等を踏まえ、どのような対応が望ましいか検討しています。一定の方向性がまとまった段階でパブリックコメントを実施し、皆様のご意見を伺う予定にしています。
  人口減少と少子高齢化の一層の進展、また増大する医療費への対応等、医療制度も大きな変革期にあります。この変革期にあっては、「強いものが生き残るのではない、環境の変化に自ら適合していくものが生き残る」との考え方が重要です。豊岡病院組合もそうした考え方の下、地方創生や医療環境の変化に対応していきます。

平成28年5月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

3.年頭のごあいさつ

地方創生と病院変革

 

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 本年は、医療にとって、但馬の今後10年先の人口変動を見据えた効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するための「但馬圏域地域医療構想」が県により策定される年です。行政においては、豊岡市・朝来市両市が人口減少を克服するための地方創生計画を昨年度に策定されていますが、医療版の地方創生計画が「地域医療構想」と言えます。
 公立豊岡病院組合は、但馬医療圏の中核医療機関として、「医療の質向上」(高度医療および急性期医療の機能を確保していくための集約化)、「医療のアクセス確保」(市民の誰もが医療を受診できる供給体制の分散化)および「自立した経営の維持」(人口減少に伴う医療需要減少への対応および医師・看護師等職員確保)、という3要素のバランスに配意した対応が必要となっています。
 本年5月に、いよいよ梁瀬医療センターと和田山医療センターを統合した「(仮称)公立豊岡病院組合立朝来医療センター」が開設します。また、4月には豊岡病院で緩和ケア病棟の運用が始まります。これらは、まさにこの3要素を踏まえた対応と言えます。
 但馬圏域の人口減少は、全国ベースよりも15年早く進行しています。人口減少は避けられない現実と認識して、目を背けずこの変化を克服していくためには、豊岡病院組合自らも主体的に変革していかなければなりません。豊岡病院組合の健全な運営は、単に但馬の医療を維持するだけでなく、但馬圏域の地方創生を成し遂げるために必要不可欠との強い想いのもと、医療制度の持続可能性を高めるための制度改革に果敢に取り組む年にしていきます。
 最後に、皆様にとってこの一年が輝かしい年となりますことを祈念しまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

平成28年1月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

2.平成26年度決算の概要と今後の経営方針

平成26年度決算の概要と今後の経営方針

 

 平成26年度決算について、平成27年9月議会において認定を受け確定しました。
そこで、豊岡病院組合の平成26年度決算の概要等について報告します。

1 公営企業会計制度の変更
 平成26年度の決算は、公営企業会計基準が昭和41年以来の改正が行われたため、従来と異なる会計処理を行いました。これは、公営企業会計独自の処理方式を改め、国際会計基準に則った民間企業の会計基準と整合性を持たせるもので、収益的収支において資本費に対する構成市負担金の収益計上や退職金と賞与に係る引当金の費用計上などを行うとともに、貸借対照表においては借入金を全て負債に計上するなどの変更を行いました。さらにキャシュフロー計算書の作成も義務付けられたところです。
 このため、平成26年度決算はこれまでの決算との継続性が一部確保されなくなっており、対前年度比較を行うためには例外処理が必要となっています。

2 平成26年度決算の概要
 (1) 収益的収支
 平成26年度の経営成績を示す収益的収支では、純損益が14.1億円の大きな赤字を計上しました。しかし、これには会計制度変更に伴う「賞与引当金の初年度重複(4ヶ月分)計上(5.3億円)」と「過去の退職手当金償却(8.4億円)」という2つの特殊要素が含まれており、この要素を除いた平成26年度単年度の実質的な収支は39百万円の赤字となりました。これは、前年度決算と比較して実質的に1.9億円の悪化となっており、診療報酬の実質マイナス改定(△1.26%)および医療センターにおける医師の退職に伴う患者数の減少等が影響したものです。
 次に、病院別の決算は、全ての病院において純損益が赤字となりました。しかし、会計制度の変更要素等を除いた実質的な純損益では、豊岡病院(+221百万円)、日高医療センター(+40百万円)、出石医療センター(+6百万円)が黒字を確保していますが、梁瀬医療センター(△73百万円)と和田山医療センター(△233百万円)は実質的な収支においても赤字となりました。
 なお、構成市の負担金は、国の定める繰出し基準等に基づき25.6億円を受け入れています。

 (2) 内部留保資金残高
 内部留保資金残高は、前年度に比べ5.3億円減少し14.2億円となりました。前年度と比べ大きく減少していますが、会計制度の変更に伴い新たに賞与引当金(5.3億円)を流動負債に計上しており、実質的な残高は前年度とほぼ同額を維持しています。

 (3) 投資の状況(資本的収支)
 資本的収支における建設改良費は、豊岡病院の周産期医療センター整備や(仮称)朝来医療センター整備などの施設整備費が19.1億円、また医療機器等の整備費が7億円となり、合計で26.1億円の投資を行いました。
 また、企業債償還金は、16.4億円となっています。
 他方、その財源は、企業債が15.5億円、負担金・補助金等が12.5億円となっており、残余の15.4億円は内部留保資金で対応しています。なお、26年度の減価償却費は13.6億円となっています。

 (4) 資産・負債・資本の状況(貸借対照表)
 借入資本金が会計制度の変更により平成26年度決算から廃止となり、企業債が全額負債に計上されることになりました。この結果、多額の投資と相まって、固定負債が209.6億円となりました。このうち、企業債残高は、前年度より大幅に増加し(+23.2億円)、204.4億円となりました。平成27年度末には更に増加し、250億円を超える企業債残高となる見込みであり、この企業債残高水準は、豊岡病院の新築移転後に次ぐ高い水準となっています。
 また、資本においては、資本金・資本剰余金・未処理欠損金を相殺処理し、未処理欠損金を平成25年度末の180.3億円から6.2億円に減じるとともに、自己資本金を24.1億円計上しました。

3 平成26年度決算の評価
 (1) 短期的評価
 短期的には支払資金の不足を避けなければなりませんが、平成26年度末の内部留保資金残高は実質的には前年度並みの14.2億円あることから、すぐさま資金ショートを引き起こすリスクは低く、当面の安全性は確保されていると考えています。
 なお、新しい会計制度により他団体との客観的な比較が可能となったため、平成26年度決算に係る全国データが公表された時点で、内部留保資金残高比較により安全性の水準を検証します。

 (2) 中期的評価
 会計制度の変更により構成市負担金の大部分が収益的収支に反映されることとなり、今後は赤字経営では事業を継続できなくなります。また、今後の内部留保資金残高の動きは基本的に純損益に連動することになるので、中期的には、将来において内部留保資金残高の減少(支払資金の不足)を招かないようにするため、単年度の実質的な収支赤字(△39百万円)を早期に解消する必要があります。

 (3) 長期的評価
 投資事業の増大により企業債残高が増加し、医業収益に対する企業債残高比率が高くなっており、将来的には経営リスクを抱える状況になっています。今後の人口減少を考えると、出来るだけ将来世代に債務を残さない運営に留意する必要があり、今後は、企業債残高を増大させる投資事業については、医療の充実とのバランスや費用対効果に十分留意する必要があると考えています。

4 平成26年度決算を踏まえた今後の経営方針
 (1) 病院運営の基本は「医療機能の充実」ですが、平成26年度決算評価からは、中長期的な事業継続性を高めていく必要があり、一層の経営改善に努めていきます。
 (2) 短期的には資金不足に陥るリスクは少ないことから、中期的な事業継続性を高めるため、実質的な単年度の純損益を早期に黒字転換する必要があり、次の点に配意した経営を行います。
  ①第一に医師確保による経営の安定化です。豊岡病院組合はぎりぎりの医師数で運営されているため、医師が減少すれば大きな経営悪化を招くことになります。従って、それを防止することが何よりも重要です。
  ②医療制度は持続性を高めるための改革が継続して行われており、制度改革や診療報酬改定に迅速かつ的確な対応を行います。
  ③エビデンスに基づいた「医療の質」と「経営改善」の両立を図るため、DPC(診断群分類)データ分析等の経営分析を進めます。
  ④業務改善の推進には現場の問題意識・改善提案・実践力が重要なことから、現場力を更に高める取り組みを進めます。
  ⑤次年度にあっては(仮称)朝来医療センターの開設初年度に当たることから、2つの病院の統合効果による診療機能の向上と経営改善を進めます。

 (3)長期的な観点からは、収益に対する企業債残高比率が高まっており、投資の適正化に努める必要があります。このため、
  ①「医療の充実」と「経営」のバランスを図る計画的な投資
  ②投資に係る費用対効果の事前検討の徹底と整備後の効果検証
  ③市場価格調査に基づいた適正価格での医療機器の購入
 などに取り組みます。

 (4)以上の取組みを進めることにより、公立豊岡病院組合の「良質な医療」の提供に継続して取り組める経営を行っていきます。

平成27年10
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

1.管理者就任のごあいさつ

〔略歴〕
1980年(昭和55年) 兵庫県入庁
2002年(平成14年) 兵庫県健康福祉部 主幹
2003年(平成15年) 厚生労働省社会福祉局保護課 課長補佐
2006年(平成18年) 兵庫県病院局経営課 課長
2009年(平成21年) 兵庫県立加古川医療センター 管理局長
2012年(平成24年) 兵庫県病院局長
2015年(平成27年) 公立豊岡病院組合 管理者
 

 
 このたび豊岡市及び朝来市両市長の命により、平成27年4月1日付で公立豊岡病院組合の管理者に就任いたしました井上です。

 公立豊岡病院組合は、明治4年に開設されて以来長きにわたり皆様の健康を守り続けてきた両市の医療機関群であり、今後も引き続き但馬地域の医療・健康の安心拠点として発展させていく職責の重さを痛感しております。
医療制度は、今後確実に進展する少子高齢化・多死社会に対応できる「制度の持続性」を高めるための改革が進行中ですが、人口減少・高齢化の進展度合や医療資源の配置状況は地域毎に異なるため、但馬医療圏域においても地域特性を踏まえた「地域医療構想(ビジョン)」が本年度策定されることになっており、将来を見据え的確に対応する必要があります。
 公立豊岡病院組合の現状をみると、医療機能については豊岡病院で平成27年1月から稼働した「但馬こうのとり周産期医療センター」や平成28年度に開院を予定している「(仮称)朝来医療センター」の整備等その充実に努めていますが、他方、医師不足によりかかりつけ医からの事前予約の徹底をお願いしている診療科もあるなど医師確保や看護師確保等に課題を残すとともに、経営状況も厳しい状況が続いています。
 このため、豊岡病院組合の運営にあたっては、何よりも「患者さんの視点」が重要と考えているところですが、併せて医療従事者が不足している現状の中で病院職員の職務満足度に配慮した「職員の視点」、そして経営の安定化による「事業の継続性の視点」という3つの視点に留意し、そのバランスを図ることにより病院事業の発展に努めていく所存です。
 今後とも、皆様の当組合への期待に応えていけるよう努力いたしますので、皆様方のご支援とご協力をよろしくお願いします。

 

平成27年4月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也