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公立豊岡病院組合立

病院組合の概要

ごあいさつ

 

7.平成29年第2回定例会(7月6日開会)管理者開会あいさつ

 最初に、平成28年度の決算状況についてご報告します。
 平成28年度の収益的収支は、医業収益が前年度より増加したものの、医業費用は給与費増や朝来医療センター整備に伴う減価償却費増等でさらに増加したことにより、純損益は前年度から544百万円悪化し1,315百万円の赤字を計上しました。資本的収支は、朝来医療センター整備事業が終了したこと等により建設改良費が減少し、資本的支出は前年度より5,442百万円減の2,717百万円、資本的収入は企業債等1,270百万円であったため、内部留保資金で対応する差引不足額は1,447百万円となりました。
 この結果、平成28年度末の内部留保資金は前年度より652百万円減少し、昭和57年度以降最低水準の798百万円まで減少しました。

 医業収支が前年度より悪化した要因は、外的要因としては、診療報酬のマイナス改定と人事院勧告に基づく給与費の増等です。また、内的要因では、豊岡病院における重症度・医療看護必要度の厳格化に伴う在院日数短縮化による患者減、及び施設基準取得時期と人員体制充実のタイムラグ、並びに日高医療センターの実質的な医師体制悪化や、朝来医療センター開設に伴う減価償却費の増加、等と分析しています。
 このような厳しい経営状況を踏まえた経営改善にあたっては、課題の把握とともに改善策の実践こそが重要であり、病院組合全体で取り組むこととしています。具体的には、毎月開催している病院長・事務長会議において、経営状況の進捗管理に加えて、病院個別の課題や取組みについても情報交換及び協議を行ってまいります。また、現場職員のモチベーションアップが不可欠であることから、今年度から全ての職種で職種別会議を定期開催することとし、組合内4病院間の連携を強化するとともに、人的・物的資源の有効活用、職種毎の課題の把握及び現場からの情報発信や事業提案を推進してまいります。
 本年3月に今後4カ年の中期計画を定めた「新公立豊岡病院組合改革プラン(2017)」を策定しました。危機的な経営状況からの脱却と良質な医療提供を実現するため、プランに掲げた取組みを着実に実施するとともに、適時適切な進捗管理を行い、経営改善に努めてまいります。また、その推進組織として、本年度より経営管理監を統轄管理事務所に配置したほか、豊岡病院に経営企画課を新設し、経営担当部門の強化及び責任の明確化を図り、収益力の向上等に取り組んでまいります。

 次に、この厳しい経営環境のもとでスタートした平成29年度5月末までの経営状況についてご報告します。前年度と比較した経常収支は、組合全体で150百万円改善しており、病院別では日高医療センターを除く各病院で改善しています。日高医療センターは前年度を33百万円下回っており、これは主に眼科医師体制の変更に伴い、前年度末に手術等を前倒しで実施した影響等によるもので、特に4月の収益が減少しています。
 一方、計画値と比較した経常収支は、組合全体で55百万円未達成となっており、病院別では豊岡病院が29百万円、日高医療センターが21百万円の未達成となる等、出石医療センターを除く各病院で下回りました。豊岡病院は、4月に入院・外来で計画を下回りましたが、5月は外来患者数・単価が計画を上回っています。日高医療センターは、前年度比較と同様に4月の眼科収益減が影響していますが、5月は患者数・手術件数が上向きになっていることから、この状態を継続し収支悪化が拡大しないように努めてまいります。
 このように5月末までの月次経常収支は、前年度を上回っているものの、計画値は未達成であり依然厳しい経営状況が続いており、経営についての危機意識の更なる共有に努め、患者数及び収益確保、並びに費用抑制に努めてまいります。

 続きまして、「日高医療センター整備基本計画」の策定状況について、ご報告します。
 4月24日・26日に日高文化体育館で、5月10日にじばさん但馬で、計3回の市民説明会を行ったほか、5月22日に人工透析患者会との意見交換会を行いました。また、5月23日に組合議会議員の管内視察が行われ、副院長による日高医療センターの現状の説明に続き、質疑及び意見交換をしていただきました。 
 また、4月24日から5月31日までの間にパブリックコメントを募集し、10名の方からご意見を頂きました。提出いただいたご意見に対する病院組合の考え方については、本日、議員の皆様へ配布するとともに、ホームページや病院等での掲示により、一般公開します。
 私の印象では、昨年の10月と11月の説明会時と比べると、現状についての理解が大きく進むとともに、議論はほぼ出尽くしたと感じたところです。
 市民説明会やパブリックコメントで頂いたご意見、並びに組合議会での議論を踏まえて、今定例会が閉会するまでに「日高医療センター整備基本計画」を策定することとし、次の準備に入りたいと考えています。

 続きまして、平成29年度の組合内の各病院における診療機能の充実等、取組みの状況について、ご報告します。

 最初に、豊岡病院では、地域の基幹病院としての機能の維持と安定した経営基盤の確立に向けた取組みを続けています。改革プランに掲げている地域包括ケア病床の導入など診療機能の見直し、高度急性期病院としての機能の充実、また地域連携の更なる充実に向けた取組み等について、昨年度から幹部職員が参加する会議において、広く情報の共有と目標達成に向けた進捗管理を行う等、新病院長のもとで、医療の質向上と経営改善の取組を進めています。
 次に、「助産師外来」の準備についてご報告します。現在医師が行っている妊婦健診のうち、正常経過の妊産婦の健康診査や保健指導の一部を、助産師が医師のバックアップのもとで行う「助産師外来」の開設準備を進めています。この助産師外来のメリットとして、助産師がじっくり向かい合い話を聞くことで妊産婦の方により安心を与えるとともに、医師がハイリスク妊婦への診察に専念できます。
 また併せて、家族等からの十分な支援が得られないなど出産後に育児に不安を抱えているお母さんに対して、助産師がアドバイスしながら不安を解消していく「産後ケア」の導入についても準備を進めています。
 準備が整った段階で住民の皆さまにも周知し、より安心・安全を届けられる周産期医療センターの運用に努めてまいります。

 次に、日高医療センターは、地震リスクの早期回避と厳しい医師負担の軽減を目的に、7月から療養病床での新規入院を停止し、9月に病棟を廃止し1病棟体制とします。現在の入院患者数は、5月時点で1日平均32人であり1病棟で対応可能な患者数になっています。また、眼科では、本年3月末に退職した診療の中心を担っていた医師が、5月から出張診療をして頂くことになり、手術・入院医療を一定程度回復できる見込みになっています。
 今後、1病棟化後の効率的な運営体制や訪問看護事業の立上げ等について、「日高医療センター整備基本計画」を踏まえつつ、具体的に検討を進めてまいります。

 次に、出石医療センターでは、昨年11月に10床でスタートした地域包括ケア病床を本年4月より18床に増床して運用しています。急性期治療を経過した患者や、在宅復帰に向けて療養を行う患者の受入れを担う地域包括ケア病床の増床により、地域医療のニーズに応えるとともに、病床の効率的運用に努めてまいります。

 次に、朝来医療センターでは、内科外科病棟で準夜帯の看護体制充実を図ったところですが、現状では昨年下期と比べ入院患者数が少し減少しているため、開院2年目にあたり改めて患者確保に努めてまいります。
 また、本年10月から46床の療養病床のうち22床を地域包括ケア病床に転換することとしており、その事前準備としてリハビリ体制を充実するとともに、本年6月から土曜日リハビリを開始しました。この地域包括ケア病床の導入により、朝来市唯一の公立病院として地域包括ケアシステムを支える医療機関としての役割を担うとともに、病床の効率的運用並びに収益確保にもつなげていくこととしています。

 続きまして、医師確保に向けた取り組みについてご報告します。
 まず、新専門医制度について、説明いたします。医師の地域偏在につながる懸念から制度開始が1年延期となっていましたが、去る6月2日に日本専門医機構理事会において専門医制度新整備指針が承認されました。
 豊岡病院組合においては、豊岡病院では内科、救急、総合診療のほか麻酔科について基幹施設の準備を進めており、その他の領域は連携施設を予定しています。また、日高・出石・朝来の各医療センターは、連携施設として内科と総合診療を予定するとともに、その他日高では眼科、朝来では整形外科も予定しています。豊岡病院の内科、救急、麻酔については、既に学会に申請しておりますが、総合診療については専門医機構の申請条件の提示が遅れており、申請準備をしている段階です。
 日本専門医機構が想定する今後の日程は、この7月から各領域の1次審査が始まり、8月から都道府県協議会との協議による地域医療確保の審査が行われ、9月からの2次審査を経て、10月から専攻医の募集が始まり、来年4月から新制度をスタートさせるというものです。非常にタイトな日程になっておりますので、今後とも、日本専門医機構や学会など各方面の情報を的確に収集し、専攻医の確保に努めます。

 次に、若手医師や医師を目指す学生を対象とした夏季セミナーについて説明いたします。まず、豊岡市の一般社団法人「こどもと教育と地域」主催の夏季特別講座に対する支援についてです。医師を目指す地元中高生を対象に、昨年に引き続き7月28日に豊岡病院で開催されます。当病院組合としても、但馬出身医師が講師となり、医師として地域に貢献するやりがい等について講演するなどの支援を行います。
 また、8月には例年実施しています当病院組合の医師修学資金貸与生交流会(エクスターンシップ)を豊岡病院にて開催し、さらに兵庫県養成医学生を対象とした地域医療夏季セミナーを朝来医療センターにて開催する予定です。
 地方の病院における医師確保には、地元学生への動機付けや若手医師が地域医療に触れる機会を設けるなど、地域の団体や住民とも協力しつつ、地域ならではの取り組みが重要と考えております。今年度もスタッフ一丸となって、これらのイベントの成功に向けて努力してまいります。

 続きまして、旧梁瀬医療センター及び旧和田山医療センターの跡地処分についてご報告します。
 旧梁瀬医療センターは、5月30日に第2回跡地処分検討委員会を開催し、昨年実施した公募の結果を報告し、改めての公募に向けて売却条件について協議いただきました。現在、協議結果をふまえて公募準備を進めており、8月より第2回公募を行うこととしています。
 旧和田山医療センターは、処分方針について、引き続き朝来市と協議を続けていきます。

6.平成29年第1回定例会(3月1日開会)管理者開会あいさつ

 最初に、国における医療制度の動向について申し上げます。国は、少子高齢化と人口減少の同時進行に伴う医療ニーズの変化をふまえ、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、医療機能の分化と連携、医療から介護への流れを推進する医療制度改革を進めています。
 国の平成29年度予算案での取組みとして、①地域包括ケアシステムの構築に向けた医療と介護のデータ連携、②安定的で持続可能な医療保険制度運営の確保のための財政支援、③予防・健康管理の推進を目的にデータ分析に基づく保険事業の推進、④医療等分野におけるICT利活用としてレセプト情報・DPCデータの活用推進、⑤地域医療構想をふまえた病床の機能分化・連携推進に向けた地域医療介護総合確保基金による支援等、が掲げられています。また、平成30年度には診療報酬と介護報酬の同時改定が予定されており、医療・介護の各サービスにおける給付内容の効率化・適正化が一体的に推進されます。豊岡病院組合としても、医療環境の変化、国の医療制度の動向をふまえた病院経営を行っていく必要があります。

 

 さて豊岡病院組合において、平成28年度を振り返ると、4月に豊岡病院の緩和ケア病棟を稼働し、5月には旧梁瀬医療センターと旧和田山医療センターを統合した朝来医療センターを開院したほか、11月には出石医療センターに回復期病床として地域包括ケア病床を導入するなど、医療機能の充実に努めるとともに、日高医療センターでは、「あり方検討委員会」の報告書に基づいて整備基本計画の策定に向けて着手しました。これらに加えて、県において10月に「兵庫県地域医療構想」が策定・公表されるなど、病院組合内外ともに、将来を見据えた医療機能や医療提供体制の整備に向けて動き始めた1年間でありました。
 次に、経営状況を見ると、豊岡病院は、診療報酬改定で7対1看護基準の厳格化に伴う在院日数短縮により上半期に予定していた入院患者数を確保できず医業収益が当初計画を下回った一方、医療体制の充実による給与費増や高度な医療提供に伴う材料費増により医業費用が増加しました。また、日高医療センターは、内科の医師体制に伴う影響で入院・外来患者の減少、また人工透析の登録患者の減少等から医業収益が計画を下回りました。出石医療センターは、上半期は患者数が計画を下回ったものの、下半期は地域包括ケア病床の導入効果もあり患者数及び収益が増加に転じています。朝来医療センターは、新病院での医療機能に基づく診療単価が上昇したことにより、医業収益が当初計画を上回っています。
 この結果、病院組合全体の経営は、損益が当初計画を大きく下回り、大変厳しい経営状況となっています。

 次に、日高医療センター整備基本計画の検討状況についてご報告します。
 12月定例会で策定の延期を表明して以降、①地震リスクの早期解消を図る、②医療・介護制度や社会環境の変化に対応できる柔軟性のある計画とする、③「日高医療センターのあり方検討委員会報告書」を尊重する、④組合全体の厳しい資金収支状況をふまえ事業継続性を確保する、⑤医師をはじめ医療現場で働く職員の意見を踏まえる、⑥公立病院として住民意見を尊重する、6点を計画策定の考え方として作業を進め、「日高医療センター整備基本計画(案)」のとりまとめを行いました。
 本計画は、①医療環境の変化への対応や経営状況等を勘案し、整備事業を2段階に分けて実施すること、②入院医療を耐震性のある既存建物を活用して継続すること、③眼科センターは医師体制の変更をふまえて日高医療センターで継続すること、などを整備基本方針としています。一方、計画を推進するためには、医師確保が前提であること、病院組合全体として資金確保ができることなど、大きな課題があります。今後、この内容で住民説明会やパブリックコメントなどを経て成案化したいと考えております。

 続きまして、平成29年度の各病院の取組みについて申し上げます。
 豊岡病院は、地域の基幹病院としての機能を充実し、高度専門・急性期の医療提供に努め、あわせて医療機能に適した施設基準の維持・取得やDPC係数アップによる収益確保のほか、材料費・経費の適切な執行による費用削減に取り組むことで安定した財政基盤を確立し、但馬の高度・専門急性期病院として機能の維持・向上に努めます。
 投資については、北近畿エリアで最初となる手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入することとしています。本機を用いた手術は、前立腺癌の全摘除術等、泌尿器科領域が保険適用されており、豊岡病院では年間70例程度が見込まれています。患者への身体的負担が少なく精緻な手術が可能となり、今後は段階的に診療科・適用領域の拡大が検討されています。次に、移転時に整備した高度医療機器を順次更新していますが、29年度に磁気共鳴画像診断装置(MRI)2台を更新します。うち1台は静磁場強度が現行の2倍となる3テスラ仕様を但馬地域で初めて導入し、傷病や撮影部位で使い分けることとし、最新機材による画質向上と撮影時間短縮による撮影件数の増加も見込んでいます。また、耐用年数の到来から医療情報システム、いわゆる電子カルテについても更新することとしており、これらにより29年度は医療機器整備等において22億円の投資を行い、医療機能の充実を図ります。
 また、豊岡病院のドクターカー事業につきまして、現行の朝6時から23時までの運行時間を拡大し、5月より24時間運行といたします。

 日高医療センターは、入院患者の地震リスクの早期解消を図るため、29年度中に1病棟化を行い、併せて内科医2名という厳しい医師体制の負担軽減も図ることとしています。
 出石医療センターは、4月から地域包括ケア病床を10床から18床へと増床を行い、回復期医療需要に応えるとともに収益増加を図ります。
 朝来医療センターは開院2年目であり安定稼働に努めるとともに、10月を目途に療養病床を転換して地域包括ケア病床20床程度を導入することとしています。また、医師体制が十分でないことから、引き続き医師確保に努めます。
 病院組合全体では、職員の応援体制や医療機器の相互利用等、病院間連携の更なる強化、経営意識の醸成に向けた取組みを進めることとしています。

 続きまして、病院組合の厳しい経営状況をふまえた中期的経営計画の立案に向けた、新改革プラン策定の取組みについてご報告します。
 「新公立豊岡病院組合改革プラン」は、国が定めたガイドラインに基づき、国の医療制度改革や兵庫県の地域医療構想をふまえて、豊岡病院組合の医療機能や経営の効率化等を検討し、病院改革を進めるものです。病院組合では、計画期間を平成29年度から平成32年度の4年間としたプランを今年度中に策定することとし、病院長を交えた検討会議で組合全体や各病院の取組み項目及び収支計画について、協議を行っています。
 今後の予定としましては、組合内での検討を完了した後、有識者、医療者、住民代表、行政代表を委員とする評価委員会を今月末に開催し、審議・承認いただいた上で公表し、組合議会においても4月に全員協議会を開催し、新改革プランの内容についてご説明することとしています。

 続きまして、医師確保に向けた取組みについてご報告します。
 まず、平成29年度の医師体制の変動についてです。豊岡病院では、本年1月から胸部・心臓血管外科で1名増員していますが、4月から循環器内科で1名増、臨床研修医も5名増となります。他方、リウマチ科で常勤医師が退職し非常勤医師での診療となるほか、救命救急センターでは2名減となります。小児科と整形外科では、上期1名減となりますが、下期にはそれぞれ確保できる見込みであり、この4月時点では合計で医師数は3名増となる見込みです。
 日高医療センターでは、内科医が2名体制となり、眼科では診療の中心を担っていた部長級の医師が退職し1名減となるとともに、大学から派遣されていた中堅医師が交替します。また、出石医療センターと朝来医療センターでは、県養成医師の交代があるものの、医師数に変動はありません。

 次に、新・専門医制度への対応についてご説明申し上げます。
 医師の地域偏在が懸念されることから、全面的な実施は1年延期となり平成30年度からとなりました。現在の動きとしましては、昨年12月に日本専門医機構から専門医制度整備指針が発表され、各学会が領域別に専門研修プログラム整備指針を改訂しているところです。当病院組合では、これら関係機関の動きを注視しながら、専門研修プログラムの見直しを行っていきます。今後も情報収集を行いつつ、29年度に初めて行われる予定の新・専門医制度のマッチングに対応してまいります。

 続きまして、看護師確保についてです。
 今年度も、豊岡病院の7対1看護施設基準の安定的運用並びに良質な医療提供を目的に看護師確保に取り組み、概ね計画通り確保できました。具体的な取組みとしては、2月14日に兵庫県立大学の合同就職説明会へ参加し、看護学生に豊岡病院の教育体制等を説明し、看護師として地域医療に携わることの魅力を伝えました。今後も引き続き、京阪神での就職セミナー参加や、採用実績のある養成学校訪問、高校への出前講座や奨学金制度の周知による看護師確保のほか、離職防止ならびに復職支援に引き続き精力的に取り組み、良質な医療の提供が継続できるよう努めてまいります。

 続きまして、旧梁瀬医療センター及び旧和田山医療センターの跡地処分についてご報告します。
 旧梁瀬医療センターは、跡地処分検討委員会で売却条件を定め、公募を行いましたが、募集期限までに提案がありませんでした。このため、改めて跡地処分検討委員会を開催し、売却条件等について協議いただき、今後の対応を検討することとしています。
 旧和田山医療センターは、処分方針について、引き続き朝来市と協議を行います。

5.年頭のごあいさつ

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 昨年末の世論調査で、「社会保障制度の持続性に不安を抱く国民が87%」との報道がありました。人口構造の逆ピラミッド化と縮小が進む中で、医療の供給不足や医療費の増大と費用負担に多くの国民が不安を抱いていることを物語っています。国は現行制度のままでは破綻を来すことから、医療の質を確保しつつ効率性を高める制度改革を進めており、各地域にも地域特性に応じた主体的な取組を求めています。
 豊岡病院組合は、本年3月に今後4年間の病院改革を進めるためのプランを定め、今後の但馬地域の医療ニーズの変化に主体的に対応していきます。また、公営企業として収支均衡も同時に求められており、国の医療政策の動向や診療報酬の考え方に沿った病院運営を進めていく必要があります。
 次に、建物の一部に耐震性の低いことが判明した日高医療センターの建替え整備も必要となっています。多数の日高住民から入院機能の存続要望を受け、改めて日高医療センターに対する期待の大きさを認識したところです。他方、事態は深刻で、課題は単に入院機能だけでなく、医師確保そして病院存続そのものです。特に透析機能と眼科センターは、日高地域だけでなく豊岡市域また但馬全体で唯一の機能を担っており、その機能継続は広域的にも不可欠です。
 医師確保にあたっては、日高医療センターそして日高地域・豊岡市域が医師にとって働き甲斐があり、働きたくなる病院・地域との評価を受けることが重要です。住民の理解と支援により大きな成果を上げている地域もあります。
 但馬は地域との結びつき、人と人の絆が深い地域であり、お互いに支えあう文化が強い地域です。この文化を礎にして、但馬の医療の継続に市民とともに取り組んでまいります。

平成29年1月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

4.平成28年度 ごあいさつ

朝来医療センターの開設と日高医療センターのあり方検討

 

 平成28年5月に「公立朝来梁瀬医療センター」と「公立朝来和田山医療センター」が統合し、新たに「公立朝来医療センター」が開設しました。新施設の療養環境や新規導入の医療機器、また統合のメリットを活かした病院運営により、朝来市の中核病院として市民の期待に応えられるよう努めます。しかし、医療体制はまだまだ満足出来るものではありません。特に医師不足は解消できておらず、「医師が働きたくなる病院」を目指し病院組合全体として全力で取り組みますので、市民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 
 また、今年度は、日高医療センターの今後の在り方について、その整備方針を定めることとしています。日高医療センターの建物の一部に、大きな地震が生じた場合は倒壊の危険性があることが、昨年12月に判明しました。本年2月から学識経験者、医療関係者、住民代表者、行政関係者に参画いただき検討会を開催し、病院組合および同センターの現状と課題、国の社会保障制度改革の動向、但馬医療圏域の医療・介護ニーズの変化等を踏まえ、どのような対応が望ましいか検討しています。一定の方向性がまとまった段階でパブリックコメントを実施し、皆様のご意見を伺う予定にしています。
  人口減少と少子高齢化の一層の進展、また増大する医療費への対応等、医療制度も大きな変革期にあります。この変革期にあっては、「強いものが生き残るのではない、環境の変化に自ら適合していくものが生き残る」との考え方が重要です。豊岡病院組合もそうした考え方の下、地方創生や医療環境の変化に対応していきます。

平成28年5月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

3.年頭のごあいさつ

地方創生と病院変革

 

 新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、お健やかに新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 本年は、医療にとって、但馬の今後10年先の人口変動を見据えた効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するための「但馬圏域地域医療構想」が県により策定される年です。行政においては、豊岡市・朝来市両市が人口減少を克服するための地方創生計画を昨年度に策定されていますが、医療版の地方創生計画が「地域医療構想」と言えます。
 公立豊岡病院組合は、但馬医療圏の中核医療機関として、「医療の質向上」(高度医療および急性期医療の機能を確保していくための集約化)、「医療のアクセス確保」(市民の誰もが医療を受診できる供給体制の分散化)および「自立した経営の維持」(人口減少に伴う医療需要減少への対応および医師・看護師等職員確保)、という3要素のバランスに配意した対応が必要となっています。
 本年5月に、いよいよ梁瀬医療センターと和田山医療センターを統合した「(仮称)公立豊岡病院組合立朝来医療センター」が開設します。また、4月には豊岡病院で緩和ケア病棟の運用が始まります。これらは、まさにこの3要素を踏まえた対応と言えます。
 但馬圏域の人口減少は、全国ベースよりも15年早く進行しています。人口減少は避けられない現実と認識して、目を背けずこの変化を克服していくためには、豊岡病院組合自らも主体的に変革していかなければなりません。豊岡病院組合の健全な運営は、単に但馬の医療を維持するだけでなく、但馬圏域の地方創生を成し遂げるために必要不可欠との強い想いのもと、医療制度の持続可能性を高めるための制度改革に果敢に取り組む年にしていきます。
 最後に、皆様にとってこの一年が輝かしい年となりますことを祈念しまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

平成28年1月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

2.平成26年度決算の概要と今後の経営方針

平成26年度決算の概要と今後の経営方針

 

 平成26年度決算について、平成27年9月議会において認定を受け確定しました。
そこで、豊岡病院組合の平成26年度決算の概要等について報告します。

1 公営企業会計制度の変更
 平成26年度の決算は、公営企業会計基準が昭和41年以来の改正が行われたため、従来と異なる会計処理を行いました。これは、公営企業会計独自の処理方式を改め、国際会計基準に則った民間企業の会計基準と整合性を持たせるもので、収益的収支において資本費に対する構成市負担金の収益計上や退職金と賞与に係る引当金の費用計上などを行うとともに、貸借対照表においては借入金を全て負債に計上するなどの変更を行いました。さらにキャシュフロー計算書の作成も義務付けられたところです。
 このため、平成26年度決算はこれまでの決算との継続性が一部確保されなくなっており、対前年度比較を行うためには例外処理が必要となっています。

2 平成26年度決算の概要
 (1) 収益的収支
 平成26年度の経営成績を示す収益的収支では、純損益が14.1億円の大きな赤字を計上しました。しかし、これには会計制度変更に伴う「賞与引当金の初年度重複(4ヶ月分)計上(5.3億円)」と「過去の退職手当金償却(8.4億円)」という2つの特殊要素が含まれており、この要素を除いた平成26年度単年度の実質的な収支は39百万円の赤字となりました。これは、前年度決算と比較して実質的に1.9億円の悪化となっており、診療報酬の実質マイナス改定(△1.26%)および医療センターにおける医師の退職に伴う患者数の減少等が影響したものです。
 次に、病院別の決算は、全ての病院において純損益が赤字となりました。しかし、会計制度の変更要素等を除いた実質的な純損益では、豊岡病院(+221百万円)、日高医療センター(+40百万円)、出石医療センター(+6百万円)が黒字を確保していますが、梁瀬医療センター(△73百万円)と和田山医療センター(△233百万円)は実質的な収支においても赤字となりました。
 なお、構成市の負担金は、国の定める繰出し基準等に基づき25.6億円を受け入れています。

 (2) 内部留保資金残高
 内部留保資金残高は、前年度に比べ5.3億円減少し14.2億円となりました。前年度と比べ大きく減少していますが、会計制度の変更に伴い新たに賞与引当金(5.3億円)を流動負債に計上しており、実質的な残高は前年度とほぼ同額を維持しています。

 (3) 投資の状況(資本的収支)
 資本的収支における建設改良費は、豊岡病院の周産期医療センター整備や(仮称)朝来医療センター整備などの施設整備費が19.1億円、また医療機器等の整備費が7億円となり、合計で26.1億円の投資を行いました。
 また、企業債償還金は、16.4億円となっています。
 他方、その財源は、企業債が15.5億円、負担金・補助金等が12.5億円となっており、残余の15.4億円は内部留保資金で対応しています。なお、26年度の減価償却費は13.6億円となっています。

 (4) 資産・負債・資本の状況(貸借対照表)
 借入資本金が会計制度の変更により平成26年度決算から廃止となり、企業債が全額負債に計上されることになりました。この結果、多額の投資と相まって、固定負債が209.6億円となりました。このうち、企業債残高は、前年度より大幅に増加し(+23.2億円)、204.4億円となりました。平成27年度末には更に増加し、250億円を超える企業債残高となる見込みであり、この企業債残高水準は、豊岡病院の新築移転後に次ぐ高い水準となっています。
 また、資本においては、資本金・資本剰余金・未処理欠損金を相殺処理し、未処理欠損金を平成25年度末の180.3億円から6.2億円に減じるとともに、自己資本金を24.1億円計上しました。

3 平成26年度決算の評価
 (1) 短期的評価
 短期的には支払資金の不足を避けなければなりませんが、平成26年度末の内部留保資金残高は実質的には前年度並みの14.2億円あることから、すぐさま資金ショートを引き起こすリスクは低く、当面の安全性は確保されていると考えています。
 なお、新しい会計制度により他団体との客観的な比較が可能となったため、平成26年度決算に係る全国データが公表された時点で、内部留保資金残高比較により安全性の水準を検証します。

 (2) 中期的評価
 会計制度の変更により構成市負担金の大部分が収益的収支に反映されることとなり、今後は赤字経営では事業を継続できなくなります。また、今後の内部留保資金残高の動きは基本的に純損益に連動することになるので、中期的には、将来において内部留保資金残高の減少(支払資金の不足)を招かないようにするため、単年度の実質的な収支赤字(△39百万円)を早期に解消する必要があります。

 (3) 長期的評価
 投資事業の増大により企業債残高が増加し、医業収益に対する企業債残高比率が高くなっており、将来的には経営リスクを抱える状況になっています。今後の人口減少を考えると、出来るだけ将来世代に債務を残さない運営に留意する必要があり、今後は、企業債残高を増大させる投資事業については、医療の充実とのバランスや費用対効果に十分留意する必要があると考えています。

4 平成26年度決算を踏まえた今後の経営方針
 (1) 病院運営の基本は「医療機能の充実」ですが、平成26年度決算評価からは、中長期的な事業継続性を高めていく必要があり、一層の経営改善に努めていきます。
 (2) 短期的には資金不足に陥るリスクは少ないことから、中期的な事業継続性を高めるため、実質的な単年度の純損益を早期に黒字転換する必要があり、次の点に配意した経営を行います。
  ①第一に医師確保による経営の安定化です。豊岡病院組合はぎりぎりの医師数で運営されているため、医師が減少すれば大きな経営悪化を招くことになります。従って、それを防止することが何よりも重要です。
  ②医療制度は持続性を高めるための改革が継続して行われており、制度改革や診療報酬改定に迅速かつ的確な対応を行います。
  ③エビデンスに基づいた「医療の質」と「経営改善」の両立を図るため、DPC(診断群分類)データ分析等の経営分析を進めます。
  ④業務改善の推進には現場の問題意識・改善提案・実践力が重要なことから、現場力を更に高める取り組みを進めます。
  ⑤次年度にあっては(仮称)朝来医療センターの開設初年度に当たることから、2つの病院の統合効果による診療機能の向上と経営改善を進めます。

 (3)長期的な観点からは、収益に対する企業債残高比率が高まっており、投資の適正化に努める必要があります。このため、
  ①「医療の充実」と「経営」のバランスを図る計画的な投資
  ②投資に係る費用対効果の事前検討の徹底と整備後の効果検証
  ③市場価格調査に基づいた適正価格での医療機器の購入
 などに取り組みます。

 (4)以上の取組みを進めることにより、公立豊岡病院組合の「良質な医療」の提供に継続して取り組める経営を行っていきます。

平成27年10
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也

1.管理者就任のごあいさつ

〔略歴〕
1980年(昭和55年) 兵庫県入庁
2002年(平成14年) 兵庫県健康福祉部 主幹
2003年(平成15年) 厚生労働省社会福祉局保護課 課長補佐
2006年(平成18年) 兵庫県病院局経営課 課長
2009年(平成21年) 兵庫県立加古川医療センター 管理局長
2012年(平成24年) 兵庫県病院局長
2015年(平成27年) 公立豊岡病院組合 管理者
 

 
 このたび豊岡市及び朝来市両市長の命により、平成27年4月1日付で公立豊岡病院組合の管理者に就任いたしました井上です。

 公立豊岡病院組合は、明治4年に開設されて以来長きにわたり皆様の健康を守り続けてきた両市の医療機関群であり、今後も引き続き但馬地域の医療・健康の安心拠点として発展させていく職責の重さを痛感しております。
医療制度は、今後確実に進展する少子高齢化・多死社会に対応できる「制度の持続性」を高めるための改革が進行中ですが、人口減少・高齢化の進展度合や医療資源の配置状況は地域毎に異なるため、但馬医療圏域においても地域特性を踏まえた「地域医療構想(ビジョン)」が本年度策定されることになっており、将来を見据え的確に対応する必要があります。
 公立豊岡病院組合の現状をみると、医療機能については豊岡病院で平成27年1月から稼働した「但馬こうのとり周産期医療センター」や平成28年度に開院を予定している「(仮称)朝来医療センター」の整備等その充実に努めていますが、他方、医師不足によりかかりつけ医からの事前予約の徹底をお願いしている診療科もあるなど医師確保や看護師確保等に課題を残すとともに、経営状況も厳しい状況が続いています。
 このため、豊岡病院組合の運営にあたっては、何よりも「患者さんの視点」が重要と考えているところですが、併せて医療従事者が不足している現状の中で病院職員の職務満足度に配慮した「職員の視点」、そして経営の安定化による「事業の継続性の視点」という3つの視点に留意し、そのバランスを図ることにより病院事業の発展に努めていく所存です。
 今後とも、皆様の当組合への期待に応えていけるよう努力いたしますので、皆様方のご支援とご協力をよろしくお願いします。

 

平成27年4月
公立豊岡病院組合管理者
井上 鉄也